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水は、含まれるミネラル成分の量によって軟水と硬水に分けられます。
この分類の基準となるのが『硬度』という指標です。日本の水道水や市販のミネラルウォーターのラベルにも数値などで表示されており、水を選ぶ際の重要な目安となっています。
しかし、硬度の数値を見ても、その水がどんな味わいや性質を持っているのか判断するのは難しいものです。
ここでは、軟水と硬水それぞれの特徴を具体的に解説し、生活シーンに合わせた上手な使い分け方を紹介します。
軟水と硬水における硬度の違い
軟水と硬水を分ける基準は、国によって異なりますが、どちらも水に含まれるカルシウムとマグネシウムの総量(硬度)で判断します。
一般的に、水には以下のような様々なミネラル成分が含まれています。
- カルシウム
- マグネシウム
- ナトリウム
- カリウム
- 鉄
その中でも、硬度の指標がカルシウムとマグネシウムの2種類に限定されるのは、含有量が最も多く、水の性質を大きく左右するためです。
例えば、石けんの泡立ちを悪くしたり、電気ポットや配管に白い水垢を作ったり、水の味わいを決定づけるなど、私たちの生活に直接的な影響を与えます。
また、歴史的に「硬度(hardness)」という概念自体が、石けんの泡立ちにくさを表す指標として生まれ、その原因となるカルシウムとマグネシウムが基準になったという経緯があります。
硬度を数値化する際の単位が『mg/L』です。mg/Lは、水1リットルの中に何ミリグラムのカルシウムとマグネシウムが含まれているかを示します。
世界基準と日本基準の違い
WHO(世界保健機関)では、硬度120mg/L未満を軟水、120mg/L以上を硬水と定めています。一方、日本は独自の細かい基準を設けており、以下のように3段階に分類しています。
分類 | 硬度 (mg/L) |
---|---|
軟水 | 100以下 |
中硬水 | 101~300 |
硬水 | 301以上 |
日本では、硬度100以下のものを「軟水」、硬度101以上300以下のものを「中硬水」、301以上のものを「硬水」と呼びます。
また、日本においては「簡便計算方式」と呼ばれる方法で硬度の計算を行います。
この計算は自分でも簡単にできるのでやってみましょう。
硬度の求め方=カルシウム量(mg/L)×2.5+マグネシウム量(mg/L)×4.1
オーケンウォーターの京都丹波の銘水であれば、カルシウムが1リットル中8.9mg、マグネシウムが2.1mg含まれているので、硬度30.86 mg/Lの「軟水」に分類されます。
軟水と硬水で期待できる効果の違い
軟水と硬水は、含まれるミネラルの量が異なるため、生活での使い方にもそれぞれ特徴があります。以下の表で、軟水と硬水の主な効果の違いをまとめました。
分類 | 軟水の特徴 | 硬水の特徴 |
---|---|---|
味・飲みやすさ |
|
|
健康面 |
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料理面 |
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|
美容・生活面 |
|
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このように、軟水と硬水にはそれぞれ得意分野があります。
日常的な飲用や和食調理には軟水、ミネラル補給や洋食調理には硬水というように、用途によって使い分けることで、それぞれの良さを最大限に活かすことができるのです。
ここからは、軟水と硬水それぞれで期待できる効果について、より詳しく解説していきます。自分のライフスタイルや目的に合った水選びの参考にしてください。
硬水に期待できる効果
硬度の高い水の特徴は、キリッとした飲みごたえがあり、食事だけでは不足しがちなミネラルを体内に補給することができることです。
ただし硬度が高ければ高いほどいいというわけではありません。
同じ硬水でも、ミネラルバランスによって飲みやすさは変わってきます。
例えば、カルシウムは含有量が増えるごとに舌に重みを感じ、飲みにくくなります。また甘みを感じさせるマグネシウムも、含有量が増えるごとに苦味を感じるようになります。
硬水を選ぶ場合は、硬度だけでなくそれぞれのミネラルのバランスを意識して選ぶようにしましょう。
マグネシウムの働きでお通じの改善が期待できる
水に含まれるマグネシウムには、腸内の水分を引き寄せる性質があり、便を柔らかくする効果があります。そのため、便秘の際に硬水を飲むことで、自然なお通じを促すことができます。
ただし、健康を意識して硬水を飲みすぎると、腹痛や嘔吐などの症状が出ることがあります。硬水は便秘改善に効果が期待できますが、適量を守ることが大切です。自分の体調に合わせて上手に取り入れていきましょう。
カルシウムで肉料理が柔らかくなる
硬水を使って肉料理を作ると、肉が柔らかく仕上がる効果があります。
硬水に含まれるカルシウムが肉のタンパク質と結合し、肉を硬くする成分をアクとして取り除く働きがあるためです。
化学反応により、余分な成分が除去され、肉本来の旨味が引き立ちます。特に、牛スジ肉のような硬い部位を使った煮込み料理や、骨付き肉を使った洋風シチューなどでは、硬水の効果が顕著に現れます。
一方で、硬水は全ての料理に適しているわけではありません。
お米を炊く際に硬水を使うと、カルシウムが米の細胞壁(植物組織)を硬化させ、水分の吸収を妨げるため、パサパサとした食感になってしまいます。
また、和食の煮物では、硬水のカルシウムが野菜や昆布の旨味成分(グルタミン酸など)と結合してアクを形成し、せっかくの旨味や栄養素が失われてしまいます。
このように、硬水の特性は料理によってプラスにもマイナスにも作用するため、料理の種類や調理法に応じて、硬水と軟水を使い分けることが大切です。
軟水に期待できる効果
硬度の低い軟水の特徴は、まろやかな口当たりと清涼感があり、日本人の味覚に合った飲みやすさを持ち合わせていることです。料理との相性も良く、日本の伝統的な和食を引き立てる特徴も持っています。
ただし、硬度が低ければ低いほどいいというわけではありません。
例えば、ミネラル成分をほとんど取り除いた純水は、水の美味しさを引き立てるカルシウムやマグネシウムなども含まれていないため、飲み水としてはおいしさに欠けます。同じ軟水でも、ミネラルのバランスによって味わいは変わってくるため、硬度だけでなくそれぞれのミネラルのバランスを意識して選ぶようにしましょう。
胃腸の負担になりにくい
硬水にはカルシウムやマグネシウムが豊富に含まれるため、臓器に負担がかかります。
特に消化器官が未発達な赤ちゃんや子供が硬水を飲んだ場合、下痢などの症状がでる場合があります。
硬水は沸騰させても硬度はかわらないため、粉ミルクなどを赤ちゃんに飲ませる場合は必ず軟水を選ぶようにしましょう。
肌にやさしい
軟水は肌に優しいのも特徴です。
ミネラルの含有が多い硬水でお肌や髪を洗い続けると、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが髪に付着してしまい、ゴワつきやパサつきを引き起こします。また、肌にもベタつきを感じるようになります。
特に、硬水で石鹸を使用すると、カルシウムやマグネシウムと反応して石鹸カスが肌に残りやすく、乾燥や肌荒れの原因となることがあります。
軟水は、ミネラル含有量が少ないため石鹸カスが残りにくく、髪や肌へのミネラル付着も心配ありません。そのため、シャワーや洗顔に適しており、髪や肌の健康を保つことができます。
コーヒーやお茶がおいしく飲める
軟水は、料理だけでなく、コーヒーや紅茶、緑茶にも軟水がおすすめです。特に日本茶に含まれるグルタミン酸や、甘み成分のテアニン、若葉の爽やかな香りは、軟水を使うことでより一層引き立ちます。
これに対し、水道水に含まれるカルキや、硬水に多く含まれるマグネシウム、カルシウムなどのミネラルは、せっかくのお茶の繊細な香りや風味を打ち消してしまいます。
そのため、お気に入りのコーヒーや日本茶を淹れる際は、軟水を使うことで繊細な香りを活かし、より上質な一杯を楽しめるでしょう。
日本の水道水は硬水?軟水?
日本の天然水には軟水が多いように、日本の水道水の硬度も軟水です。
東京大学によって調べられた「あなたの水道水、「硬さ」調べました(日本全国水道水の硬度分布 )」によると、日本全国 47 都道府県 665 地点の水道水の平均硬度は、「48.9mg/L。」 との調査結果がありました。

参照:https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/files/20210629watanabe_horisoubun01.pdf
水道水質基準で硬度が決まっている
日本の水道水質基準では、硬度について安全性の観点から、硬度の上限は300mg/L以下と定められています。これは水の硬度が高すぎると、石けんの泡立ちが悪くなる等の理由があるためです。また、水のおいしさを考慮して、水質管理目標値として10~100mg/Lが設定されているため、飲用に適した水質が保たれています。
国内のウォーターサーバーは軟水が多い
日本国内のウォーターサーバーで使われている水は、ほとんどが軟水です。
ウォーターサーバーのメーカーの中には、中硬水を取り扱っているメーカーもありますが、基本的には軟水です。
大半のウォーターサーバーメーカーが軟水を利用する理由として下記の5点が挙げられます。
- 日本人にとって軟水が飲みやすいこと
- 国内の採水地から採水していること
- ミネラル成分が多く含まれる硬水を使用すると、タンク内や蛇口付近にミネラルが固まってしまい故障するケースがあること。
- 赤ちゃんのミルクや妊婦さんが使用するケースが多いこと
- お茶や料理に使用するケースが多いこと
ウォーターサーバーがあれば、水を定期的に飲む習慣ができます。
バランスのいいミネラル成分を摂取することで、健康的な生活習慣を続けることができるため、小さなお子様がいる家庭だけでなく、多くの世代に人気があります。
軟水よりも価格が高い傾向がある
日本国内で採れる水は、ほとんどが軟水です。
そのため硬水は、ヨーロッパなどから輸入するのが一般的となっています。希少性に加え、輸送コストや関税などが価格に反映されるため、軟水よりも高くなる傾向があります。
また、日本人の味覚には軟水が合いやすく、硬水特有の苦みやミネラル感を好む人が限られています。販売量が少ないことも、価格が高くなる要因の一つです。
このように、硬水は様々な要因から価格が軟水よりも高くなる可能性があるため、高いからといって必ずしも品質が優れているわけではありません。
大切なのは、価格ではなく、自分の体質や用途に合った水を選ぶことです。健康のためにミネラルを補給したい場合は硬水、日常的に飲みやすい水を求める場合は軟水というように、目的に応じて選ぶようにしましょう。
オーケンウォーターは3つの名水地から採水した軟水を使用
オーケンウォーターの水は、静岡県・大分県・京都府の3つの採水地で採水した軟水を取り扱っています。
硬度は、下記の通り全て軟水です。
天然水名と採水地 | 富士山の名水 (静岡県) |
大分天領の銘水 (大分県) |
京都丹波の銘水 (京都府) |
---|---|---|---|
ナトリウム(Na) | 21mg | 48.8mg | 9.7mg |
カルシウム(Ca) | 19mg | 16.5mg | 8.0mg |
マグネシウム(Mg) | 5.2mg | 4.8mg | 1.6mg |
カリウム(K) | 33.6mg | 8.0mg | 0.5mg |
バナジウム(V) | 58μg | – | – |
天然亜鉛(Zn) | – | 0.16mg | – |
シリカ(Si) | – | 72mg | – |
有機ゲルマニウム(Ge)- | 4.0μg | – | |
硬度 | 68 | 62 | 30 |
pH | 7.7 | 7.7 | 7.2 |
容量 | 12リットル/本 | 12リットル/本 | 12リットル/本 |
どの銘柄も、絶妙なミネラルバランスを保つことでまろやかで飲みやすく、適度な甘みを感じることができます。
また赤ちゃんのミルクや妊婦さんには、よりミネラル成分が少ないピュアウォーター「プラスプレミアム」も取り扱っています。
プラスプレミアムは、天然水を逆浸透膜(RO膜)と呼ばれる超極小孔フィルターに圧力をかけて、ろ過したRO水にミネラルを配合した、美味しくて安全なお水です。

赤ちゃんや妊婦さんには、プラスプレミアム をお得に飲めるキッズプランもございます。
まとめ
軟水は、私たちに日本人とって馴染みがあって飲みやすいだけでなく、風味を大切にする和食や緑茶・紅茶との相性がいい万能のお水です。
もし硬水と軟水のどっちがいいのかわからないという方は、お気軽にオーケンウォーターお客様サポートまでお気軽にお問い合わせください。
専門のスタッフが、お客様のご希望に沿った天然水の硬度についてご提案させていただきます。