ウォーターサーバーの導入を検討する際、「置き場所」と「コスト」は重要な要素です。
特に都市部のマンションでは、限られたスペースにウォーターサーバーを置くことが難しく、導入を諦めるケースも少なくありません。また、ボトルの配送料や電気代など、毎月のランニングコストも気になるところです。
このような課題を解決する方法として、コンパクトでランニングコストの安い水道直結型のウォーターサーバーは魅力的な選択肢となるかもしれません。
ここでは、水道直結型ウォーターサーバーの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、そして導入に適した環境まで、選択の判断材料となる情報を詳しく解説します。
水道直結ウォーターサーバーの仕組み

水道直結ウォーターサーバーは、一般的なボトル式と異なり、家庭の水道水を直接利用する仕組みです。水道管から分岐した水を本体に取り込み、内蔵フィルターでろ過した後、冷水・温水として供給します。
キッチンの水道栓の近くに設置し、水道管に分岐栓を取り付ける工事が必要です。ボトルを収納するスペースが不要なため、従来のウォーターサーバーと比べてコンパクトな設計となっています。
ウォーターサーバーの水道直結型とボトル式の比較は以下の通りです。
種類 | 水道直結型 | ボトル式 |
---|---|---|
大きさ | 小さめ(スリム) | 大きめ(ボトルを収納) |
設置場所 | キッチンの水道周り | 自由 |
冷水機能 | 〇 | 〇 |
温水機能 | 〇 | 〇 |
ボトル交換 | 不要 | あり |
フィルター交換 | あり | 不要 |
設置工事 | あり | 不要 |
ランニングコスト (レンタルの場合) |
レンタル料・水道代・電気代 | 水代・電気代 |
※水道水を利用するウォーターサーバーには、「水道直結型」の他に、ユーザーが自分で水道水を給水する「給水型」もあります。
フィルターの性能で除去できる成分が異なる
水道直結型が水道水のろ過に利用するフィルタは、主に3種類です。
- 活性炭フィルター
- ろ過膜フィルター
- RO(逆浸透膜)フィルター
活性炭フィルターは有機物やカルキ臭を除去し、ろ過膜フィルターは0.4~0.01μmの穴のあいた膜でバクテリア、ウイルス、有機物を除去します。RO(逆浸透膜)フィルターは0.0001μmの極小の穴のあいた膜に圧をかけて水を通すことで、重金属や塩分、ミネラルなどを除去します。
メーカーはこれらのフィルターを組み合わせることで、水道水に含まれる不純物を効果的に除去し、より安全でおいしい水を提供します。
日本の水道水は、51項目の水質基準をクリアしており、さらに27項目の目標値を定めて水質管理を行っているため、そのままでも安全に飲むことができます。しかし、水道水をさらにろ過することで、より美味しく、健康的な水を供給するのがフィルターの役目です。
また、マンションなどの集合住宅によっては、貯水タンクに水を貯めて各部屋に給水する仕組みを採用している場合があります。貯水タンクの管理が不十分な場合、異物混入や雑菌繁殖のリスクがありますが、水道直結型のウォーターサーバーのフィルターによって軽減できます。
レンタルと買い切りタイプがある
水道直結型のウォーターサーバーはレンタルが主流ですが、買い切りタイプもあります。
レンタルの場合は月額3,000~4,500円程度となっており、買い切りタイプでは7~20万円です。フィルター交換については、レンタルの場合は通常レンタル費用に含まれており、買い切りタイプでは半年または1年ごとに5,000円から12,000円程度の交換費用が必要となります。
5年間利用した場合のレンタルと買い切りの費用の一例を見てみましょう。
レンタル | 買い切り | |
---|---|---|
本体費用 | 3,500円×60カ月=21万円 | 12万円 |
フィルター費用 | レンタル費用に含まれる | 年間1万円×5年間=5万円 |
合計 | 21万円 | 17万円 |
レンタル料や本体費用はさまざまなので、上記はあくまで一例ですが、5年間利用した場合の費用例を見ると、レンタルでは月額3,500円の場合、60カ月で21万円となります。
一方、買い切りの場合は本体12万円に加え、年間1万円のフィルター費用が5年分で5万円なので、合計17万円です。そのため、長期的に利用するなら買い切りタイプの方がコストを抑えられます。
水道直結ウォーターサーバーのメリット

水道直結ウォーターサーバーには次のようなメリットがあります。
- 水が外気に触れにくい
- ボトルの注文や交換の手間がない
- ランニングコストが安い
- 大きなスペースを取らない
- 音が小さめ
それぞれについて解説します。
水が外気に触れにくい
水道直結型ウォーターサーバーでは、水道管から取り込んだ水がサーバー本体の内部配管やタンクを通って蛇口まで届くため、外気に触れる機会がほとんどありません。
これに対し、ボトル式の場合は、工場での充填時や設置時のボトル交換の際に外気との接触が避けられません。また、ボトル内の水が減ると、その分の空気がボトル内に入り込むため、飲用までの過程で外気と接触する機会が増えます。
水が外気に触れにくい構造には、衛生面で重要な利点があります。外気との接触が少ないことで、空気中の細菌やホコリが水に混入するリスクを低減できます。
また、ウォーターサーバー内部の水は常に新鮮な状態を保ちやすく、長期間の貯留による水質の変化も起こりにくいという特徴があります。
水道直結型では水道水を使用するため、水道法に基づく定期的な水質検査と管理が行われている水を利用できます。これに加えて、サーバー内蔵のフィルターによるろ過も行われるため、衛生面での安全性が二重に確保されています。
なお、ボトル式のウォーターサーバーでも、外気に含まれる雑菌の混入を防ぐ機能や、温水タンク内の水を自動で循環させて内部配管を清潔に保つ機能が搭載された機種が増えています。これらの機能を備えたウォーターサーバーを選べば、安全で衛生的な水を楽しむことができます。
ボトルの注文や交換の手間がない
ボトル式のウォーターサーバーは、毎月決まった本数のボトルを定期的に配送してもらうのが一般的です。次回の配送までに使い切った場合は、追加注文が必要になります。
また、空になったボトルは、サーバーから取り外して新しいボトルに交換する作業が発生します。ボトルのサイズは12Lが一般的で、重さが12kg以上になるため、女性や高齢者には大きな負担となります。
一方、水道直結型のウォーターサーバーでは、水が水道から直接給水されるため、ボトルの在庫管理や重いボトルの持ち運び、交換作業が必要ありません。
特に毎日の料理や飲料用に多くの水を使用する家庭では、ボトル切れの心配なく便利に使用できます。
ランニングコストが安い
水道直結型とボトル交換型の1カ月当たりのランニングコストは、次のような構成になっています。
水道直結型 | ボトル式 | |
---|---|---|
水代 | 水道料金/200円前後 | 天然水の料金/4,000~5,000円 |
リース代 | 3,000~4,000円 | 水代に含まれるのが一般的 |
フィルター交換費用 | レンタル料に含まれるのが一般的 | 不要 |
電気代 | 1,000円前後 | 1,000円前後 |
合計 | 4,200~5,200円 | 5,000~6,000円 |
水道直結型のランニングコストは実質的には「リース代(フィルター交換費用含む)+電気代」で、ボトル交換型のランニングコストは「天然水の料金(リース代を含む)+電気代」です。
水道直結型は水代が水道料金なので、ボトル交換型に比べて水代が安価です。ボトルの本数も気にする必要がないため、飲用だけでなく料理にも気兼ねなく使えます。
大きなスペースを取らない
水道直結型ウォーターサーバーは、本体にボトルを収納しないため小型(スリム)で、キッチンのシンクまわりに設置されるのが一般的です。
大きさはメーカーやモデルによって異なりますが、幅30cm、奥行き40cm、高さ約100cm程度が一般的なサイズです。特に都市部のマンションなど、居住スペースが限られている場合は、コンパクトさが利点となります。
一方、ボトル交換型のウォーターサーバーは、12Lのボトルを設置するスペースが必要なため、本体が大きくなります。また、予備のボトルを保管するスペースも必要になるため、設置場所の確保に苦労する場合があります。
静音性
返却が必要なリターナブルボトルを使用したウォーターサーバーでは、ボトルからタンクに水を給水する際、ボコボコという音がします。
また、使い切りのワンウェイボトルでは、サーバー内の水が減ってきたときにパキパキというボトルがつぶれる音が発生します。
一方、水道直結型のウォーターサーバーでは、冷却時のコンプレッサー音や加熱時の音は出ますが、ボトル式特有の音が発生しません。そのため、音を気にせず快適に使用することができます。
水道直結ウォーターサーバーのデメリット

デメリットには次のようなものがあります。
- 設置工事が必要
- 設置場所が水道栓周囲に制限される
- 定期的にフィルターの交換が必要
- 断水時は利用できない
- 漏水したときの被害が大きい
それぞれについて解説します。
設置工事が必要
水道直結型のウォーターサーバーの設置は、キッチンのシンク下や蛇口から分岐水栓を取り付ける小規模な工事が必要です。
そのため、賃貸住宅では工事が許可されない場合があります。許可が下りて設置できたとしても、退去する際は原状回復を求められます。
また、最近はドレンホースが不要な機種が主流となっていますが、一部の機種では、結露した水の排水に設置が必要となるため、設置前に使用する機種の仕様を確認するとよいでしょう。
設置場所が水道栓周囲に制限される
水道直結型は水道栓から給水が必要になるため、設置場所がホースの届く範囲に限定されます。また、電源を供給するコンセントも必要になるため、キッチンの蛇口周囲に設置されるケースがほとんどです。
ボトル式に比べて小型とはいえ、キッチンのシンク周りにある程度のスペースがないと設置できません。長い給水ホースを仕様すれば設置できる範囲は広がりますが、見た目が悪く、つまずくリスクもあります。
水道直結型のウォーターサーバーは、シンク周りのスペースや配置を事前に確認し、実際に使用する際の動線も考慮して設置場所を決める必要があります。
定期的にフィルターの交換が必要
水道直結型のウォーターサーバーは、半年あるいは1年に1回フィルターの交換が必要です。フィルター交換は契約しているサーバーの専任スタッフが行ってくれるのが一般的ですが、その際の立ち会いが必要になる場合があります。
交換費用は月額レンタル料に含まれるプランが多いですが、メーカーによっては別料金の場合もあります。別料金の場合、あるいはレンタルではなくサーバー買い取りの場合はフィルター交換費用の相場は5,000円から12,000円程度です。
フィルターを交換しないと、ろ過性能が低下し、十分な浄水効果が得られなくなる可能性があります。
断水時は利用できない
水道直結型は水道水を使用するため、断水時には利用できません。
ボトル式のウォーターサーバーでは、タンク内の水が使えるため、災害時などは予備のボトルが「非常時の飲み水備蓄」になります。しかし、水道直結型は別途ペットボトルの水を保管しておく必要があります。
災害用の水の備蓄は、1人あたり1日3Lを目安に、最低3日分が必要とされています。
水道直結型はボトルの保管スペースが不要ですが、災害時の備蓄水という観点からはデメリットとなります。
漏水したときの被害が大きい
ウォーターサーバーは本体の経年劣化や接続部分の緩み、不注意な取り扱いなどが原因で漏水が発生することがあります。
漏水が起きた場合、ボトル式であれば被害はボトル内の水の量(通常12L)までです。しかし、水道直結型は水道管から水が供給され続けるため、被害が大きくなる可能性があります。
例えば、給水ホースの接続部分が緩んで水漏れが起きた場合、外出中や長期休暇で旅行中だと数日間にわたって水が流れ続けることになります。
水漏れ事故は、階下への漏水被害や高額な水道料金の原因となるため、長期間留守にする際は、水道の元栓を閉めるなどの対策が必要です。
水道直結ウォーターサーバーの利用に適した環境

水道直結型のウォーターサーバーが向いている人や環境には次のようなケースがあります。
- 水の利用量が多い
- 水道周りに設置場所が確保できる
- 多忙でボトルの定期配送日に留守がち
それぞれについて説明します。
水の利用量が多い
ボトル式のウォーターサーバーは、水の使用量に比例してコストが上がります。
これに対し水道直結型は、大家族での使用や料理での使用など、たくさんの水を使う場合でもコストが低いため安心して利用できます。
そのため、水の料金を気にせずにウォーターサーバーを使いたい家庭では、水道直結型が適しています。
水道周りに設置場所が確保できる
キッチンに十分なスペースがあり、シンク周りに余裕がある家庭では、水道直結型ウォーターサーバーが適しています。
特に、作業スペースの広いアイランドキッチンやL字型キッチンなどであれば、動線を妨げることなく快適に使用できます。
在宅時間が不規則
ボトル式のウォーターサーバーは、基本的に月1回の配送があるため、配送日に合わせて在宅する必要がありますが、水道直結型ではその心配がありません。
そのため、仕事が不規則な方や外出が多い方に特に適しています。
- 不規則な勤務シフトで働いている方
- 頻繁に出張がある方
- 日中は仕事で家を空けることが多い共働き世帯
- 突発的な外出が多い職種の方
配送日の調整や再配達の依頼をする手間がないため、スケジュール管理の負担も軽減できます。天候や交通事情による配送遅延の心配もなく、水切れの心配なく安定して利用できるのが大きな魅力です。
設置が難しい場合は置き型のウォーターサーバーも検討する

水道直結型のウォーターサーバーを設置することが難しい場合は、ボトル式のウォーターサーバーも検討しましょう。
近年は置き型でもスリムタイプが増えており、限られたスペースでも設置できます。また、置き型の大きな利点として、水道栓から離れた場所にも自由に設置できるため、キッチン以外の場所、例えばリビングや寝室など、生活スタイルに合わせた配置が可能です。
Smartプラスは幅30cmで設置場所に困らない
オーケンウォーターのSmartプラスは、幅30cmのスリム設計で、A4用紙1枚分の幅があれば設置できます。ワンウェイボトルの交換式のため、水道からの距離を気にする必要はありません。
らくらくボトル交換
Smartプラスは、ボトル設置場所がサーバーの下部にあり、ボトル交換の際に重いボトルを持ち上げる必要がありません。

ボトルバスケットに入れて片手でスライドするだけの足元設置なので、女性や高齢者でも簡単に交換できます。
消費電力を最大60%カットで家計に優しい
Smartプラスは消費電力を最大60%カットできるエコモード機能つきで、電気ポットよりも安い電気代で使用できます。
一般的な電気ポットは900円/月ほど電気代がかかりますが、Smartプラスは約500円で使用可能です。(27円/kwhで12Lボトルを2本使用した場合の試算)
業界最安水準で利用できるので負担が少ない
Smartプラスの月額費用は天然水とRO水(逆浸透膜ろ過水)から選択でき、それぞれに「おトクプラン」と「基本プラン」を用意しています。
プラン | 天然水 | RO水 |
---|---|---|
おトクプラン | 3年契約 月額込3,800円~ | 5年契約 月額2,648円~ |
基本プラン | 2年契約 月額4,082円~ | 2年契約 月額3,240円~ |
※税込み
各プランとも1回の配送本数は1セット(12Lボトル×2本)から注文できます。
天然水の場合は、「富士山麓」「京都丹波」「大分日田」の3つの銘水の中から、お住まいに最も近い採水地の天然水をお届けします。業界最安水準の料金設定で、高品質な水を安定的に利用できます。
騒音レベル30%カット!静音設計で寝室の設置でも安心
Smartプラスは、サーバー本体の駆動音や振動音を30%削減(同社従来製品比)した静音設計を採用しています。そのため、キッチンやリビング、寝室など、生活空間のどこに設置しても快適に利用できます。
冷却時 | ブーンというコンプレッサーの稼働音 |
---|---|
加熱時 | 電気ポットのような加熱音 |
ボトルからの汲み上げ時 | モーターの稼働音 |
ボトルの収縮時 | ボトルがつぶれるパキパキという音 |
また、Smartプラスはワンウェイボトルを採用しているため、リターナブルボトルで発生する「ボコボコ」という空気の流入音が発生しません。
Smartプラスには、上記以外にも次の便利な機能を備えています。
- Wクリーン機能:独自の特許技術でタンク内に取り込む外気を浄化するクリーンエア機能と、48時間ごとに熱水を配管内に自動循環させる自動クリーン機能を搭載
- 3段階のチャイルドロック:簡易ロック・完全ロック・フリーの3モードが可能
これらの機能により、衛生面での安全性が高く、小さなお子様のいるご家庭でも安心してご利用いただけます。
まとめ
水道直結型のウォーターサーバーは、衛生面やランニングコストの面で優れていますが、設置場所の制限や工事が必要といった点に注意が必要です。
水道直結型のウォーターサーバーが設置できない場合は、オーケンウォーターのSmartプラスをご検討ください。
Smartプラスは幅30cmのスリム設計で設置場所を選ばず、らくらくボトル交換システムでボトル交換の手間も少なくなっています。また、省エネ設計と業界最安基準の料金設定により経済的な負担を抑え、静音設計なので様々な場所での設置が可能です。
水道工事なしで手軽に利用できるウォーターサーバーをお探しの方に、最適な選択肢となるでしょう。
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